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依存と友情って紙一重。
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お誕生日おめでとう。
闇の中響くその声は、山崎にとって恐怖でしかなかった。



手首



鬱血した肌を撫でて、篠原はうっ、と涙をこぼした。
動かないそれは、もうとっくに事切れている。
犯人は未だに見つからず、あの仕事を嫌がる沖田でさえ躍起にやっているのだ。

それほどまでに、この男は愛されていた。
時には友として、時には部下として、時には上司として、時には最年長として。
彼はこの屯所の誰よりも愛されていた、のに。





誕生日が命日なんて、笑えない。




篠原は犯人を知っている。
しかし、山崎に生前いやというほど口止めされているのだ。
死にはしないから大丈夫。

じゃあなんで死んでしまったのかと遺体に問いかけても、その口はもう動かないから、聞けないのだけど。


朝から不幸が続く。
篠原は思ったより冷静に物事を処理している自分の脳を褒めた。
切腹しろ、と言われてここまで冷静でいられるのは自分と山崎さんくらいだろう。

山崎を殺した罪を償えぃ、と言われたって、殺したのは篠原ではない。
真犯人はその沖田隊長の言葉ににやりと笑ったのだ。
この悪どい顔を山崎に見せてやりたいと心の奥底から思った篠原は、切腹のために真っ白な着物に着替えた。



最後に一言、と言われ篠原はぽそぽそと何かを呟いた。
は…す…とぅー…
…ぴば…ゆー…
これで、ふたりきりだ

この瞬間、篠原に腹を切らせたことを、土方は後悔した。
とっさに篠原の手首を掴むが、そこに山崎とお揃いのアザが残るのみだった。








思うがままに携帯を走らせればこんなもんですよ。
水菜です。
もうちょっとちゃんとしたのを今度上げます。


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